おかし屋さん hapihapi

“はぴ大福”でハッピー♪な時間を・・・

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“はぴ大福”誕生物語

大失敗から生まれた「はぴ大福」

目玉商品が思いつかない…

独立してから、知り合いやお客様にずっと言われていたことがありました。「何か目玉商品を作らないといけないね」ということです。
そんなすぐには出来ないよ…と思いつつ、自分でも気になっていました。早く目玉商品をつくらなければなぁ…と。
暇ができれば、どんなものがいいかなぁと考える日々を送っていました。
眠れない日が続きました。考えても考えても、これだ!と思うものが浮かびません。
ところが、運命の日は突然やってきたのです。

あ、カスタードが余っている…

その日も仕事が終わり、からっぽになったお店のショーケースの前で考えていました。
今日もおかげさまでたくさんの商品をお買い求めいただいたなぁ、ありがたいなぁ、うれしいなぁ。
なんたって、ショーケースはからっぽだったからです。
食べ物をムダにすることなく、完売できるなんてしあわせです。粉も、ミルクも、卵も、フルーツも、みんな誰かが作ってくれたものです。いろんな人のおかげです。
もし、商品が売れ残ったら処分しなければなりません。そんなもったいないことはしたくない。
農家や工場の人たちに失礼です。仕入れたものは上手に使い、おいしく作り、全部、お客様の手に抱かれて、笑顔を生み出すエネルギーになってほしい。
完売してうれしいのは、そう思うからです。
しかし、その日はふと別のことも思い出しました。
(あ、そう言えば、カスタードが余っている…何とかできないかな…)
この瞬間が、はぴ大福誕生のきっかけとなるとは、その時はわかりませんでした。

僕の失敗は、お客様の喜び!?

実は、お店がオープンした日、僕は大失敗をしてしまいました。開店初日のことですから、よくおぼえています。
当初、考えていたサイズの大きさではなく、小さいシュークリームしか作れなかったからです。
時間もなくどうしようもないので、小さいサイズのまま、シュークリームをショーケースに並べました。
すると、小さくてかわいいということで意外に評判になったんです。ケーキ屋さんでは、小さいシュークリームが売られていなかったんですね。僕は失敗したと思っていたのに、お客様には喜んでいただけました。
でも、やはり失敗だったと思えることがあります。カスタードが余ってしまうのです。
シュークリームが小さいため、カスタードはそんなに必要としません。カスタードを作りすぎてしまうというのか、シュークリームが小さすぎるというのか、学習できない僕は、いつもカスタードを余らせていました。

試作、試作、試作

小さいシュークリームが売れることはうれしいのですが、カスタードを余らせてしまうことは問題でした。
このカスタードをムダにせず、おいしい商品に変身させることはできないだろうか…。
考えても浮かびませんが、思い出すことでヒントを得ることができました。修業時代の記憶をたどり、思い出した商品がひとつあったのです。求肥(ぎゅうひ)を使ったものです。
やわらかい求肥の中にカスタードと生クリームを入れて、ショートケーキを包んでみたらどうだろうか?
そう思いました。なぜだかわかりませんが、その組み合わせが頭の中に描かれたのです。
さっそく作ってみました。うん、なかなかおいしい。けっこういける。でも、それぞれのバランスがもうちょっとかな…という感じでした。
何度も何度も、何日も何日も試作しました。カスタードも生クリームも、すべての材料の量を少しずつ増やしたり、減らしたりして試作しました。
求肥の中だけの問題ではありません。求肥そのものも、どれくらいの厚さがおいしいのか、わずかな違いで味は変わり、食感も違ってきます。試作の日々が続きました。

やっと1個売れる…

だいぶ納得のいくものが作れた頃、妻に食べてもらいました。
「おいしいけど、もっとフルーツがたくさんあったほうがいいんじゃない?」という妻のひとことで、すぐに試作が再スタート。
最初はいちごしか入っていなかったのですが、いちごのほかにマンゴー、バナナ、ブルーベリーと4種類のフルーツを入れてみました。
たくさんのおいしいものが、求肥に包まれて、フルーツたっぷりの楽しい商品が出来上がりました。
「これならカスタードをムダなく使えるし、どこにもないおいしいおかしだね」と妻に言ってもらうことができました。
妻に太鼓判を押してもらうことができたのですから、いよいよ販売です。店頭に並べてみました。
フルーツがいっぱいなので、「フルーツ大福」と名前をつけて、6個から売り出しました。
中にはフルーツがたっぷり入っているのですが、それを知っているのは作った僕だけ、試食した妻だけです。
見た目はまるで大福。ふつうの大福。ショーケースに並べていますが、地味なので、なかなかみなさんの目につきません。
「新商品です、召し上がってみてください。食べていただけるとわかります。おいしいんですよ。ぜひどうぞ」と、お勧めしてやっと1個売れる。そんな日が続きました。

フェイスブックからテレビ局へ

ある日、フェイスブックのお友達が「hapihapiのフルーツ大福がおいしい」と投稿してくれました。
お友達のあいだで盛り上がっているようで、その中にはテレビ局のディレクターの方もいたようでした。
1週間くらいたったころ、予想もしない方が来店しました。ドアのベルが鳴り、いつもどおり「いらっしゃいませー」と出ると、地元宮崎のテレビで人気の濱田詩朗さんが立っていました。
「取材いいですか?」ということで、アポなし取材にびっくり。
詩朗さんは、フルーツ大福を口いっぱいにほおばり、「おいしーーー!!」と絶叫。
正直言いますと、僕は隣で見ていて、(そんな大げさな…)と思いました。
しかし、この絶叫した詩朗さんの顔が夕方の番組で放映されるやいなや、お店に電話が殺到。鳴り止みません。フルーツ大福があっというまに売り切れました。

余ったカスタードのおかげ、みなさんのおかげ

放送日の翌日には、お店に入りきらないほどのお客様が押し寄せました。10時から販売してすぐに売り切れ、その後も作り続けて午前中で100個完売。
午後よりまた販売してすぐに100個完売。そんな日が1週間くらい続きました。テレビの効果は絶大でした。
詩朗さんが「おいしーーー!!」と絶叫してくれましたが、大げさな演技ではなく、本当に心からおいしいと思ってくださったんだなと思います。
その気持ちが表情や声に表れ、その顔を見て、声を聞いたお客様が、買いに来てくださったんだなと思います。
その後は、食べた方が「本当においしかったから」とまた買いにきてくださったり、「お友達に聞いて来ました」と、フルーツ大福が口コミでどんどん広がっていっていくのを実感しました。
気がついたら、お店の目玉商品ができていました。余ったカスタードをどう活かすかを考え始め、前のお店で修業していたことを思い出し、仕入れでお世話になっているたくさんの方々の感謝の気持ちを込めて作ったものが、はぴはぴの看板商品になりました。
うん、これは目玉商品だ。看板商品だ。作っているのは僕だけど、育ててくれたのはお客様みなさんです。
この目玉商品をとおして、お客様みんなが、取引先のみなさんが、よりハッピーな気持ちになってほしい。
なにより、うちのお店は「はぴはぴ」です。
そこで、フルーツ大福を『はぴ大福』と名前を変えて、みなさんにお届けすることにしました。
宮崎にはおいしいものがたくさんあります。これからも宮崎のおいしい材料をふんだんに使い、『はぴ大福』の種類を増やしていきたいと思います。
『はぴ大福』をたくさんお届けし、「おいしいね」「たのしいね」という笑顔をたくさんつくり続けたいと願っています。